Tomatis®メソッドとは何ですか?
小さな子供も十代の若者も、 大人になっても、ストレスや発達の問題からくる感覚過敏や聴覚系のトラブルによるさまざまな困難に苦しむことがあります。
Tomatis® メソッドは、聴覚からの情報処理、体のバランス、感情や神経系の調整、または耳、脳、身体間の効果的なつながりを再訓練する聴覚トレーニングです。
神経感覚プログラムであり教育的介入であるトマティス® メソッドでは、主に音楽 (モーツァルトおよび他の作曲家の作品) を特殊なヘッドフォンとプレーヤーで再生します。脳が飽きないように、疲れすぎないようにと加工され、フィルタリングされた音楽は、脳に情報を伝達する聴覚神経の部分を刺激します。
聴覚からの刺激は脳に働きかけて、神経系をより効率の良い形に再パターン化します。これにより、身体、認知、対人スキル、感情の調整が向上します。
Tomatis® メソッドの利点は何ですか?
耳は「感覚の門」なので、耳から脳にアクセスすることで、個人の様々な分野に変化を生み出すことが可能です。トマティス® メソッドの効果として一般的に次のようなことが挙げられています。
・注意力、集中力、フォーカス、記憶力が向上します
・言語、会話、コミュニケーション、社会性が発達します
・読解力や理解力などの学習スキルが向上します
・自己認識と自信を高められます
・不安やストレスが軽減されます
・生活の質の向上(特に睡眠、食欲、気分)を促進します
サウンドセラピー・音楽療法・聴覚トレーニングとは何ですか?
サウンドセラピーは、特定の音、特定の周波数などを誘導して振動を生成し、人の健康に影響を与える方法だといわれています。かつて「モーツァルト効果」は最も有名なサウンドセラピーの 1 つでした。ある研究では、モーツァルトの音楽を 10 分間聴くと、人の空間的・時間的推論能力が向上することが示されました。認知能力だけでなく、感情にも影響を与えると主張する人もいます。
音楽療法では、良い音楽を聞くことによる気分のリラックス向上を目的にしたり、言葉で自分の気持ちや考えを表現するのが難しい人のために、音楽を使ってコミュニケーションをとったりします。セッションとして音楽を創り出すことで人の関与や積極的な参加を引き出し、健康に良い結果をもたらす方法です。
トマティスの聴覚トレーニングでは、音楽を刺激として利用し、その識別や受け入れ、そして再生することで音に対する感度を上げたり、逆に音に過敏な状態になっている場合はその過敏な反応を抑えたり、個人の条件帯に基づく形で個別のプログラムを組み上げ、その人にとっての耳と声の良い状態を作り出します。現在世界中に存在するサウンドセラピーや聴覚トレーニングは、トマティス博士が開発した研究をベースに発展しています。
Tomatis® メソッドを発明したのは誰ですか?
アルフレッド・トマティス博士は、1950 年代初頭にトマティス® メソッドを開発しました。トマティス博士はフランスの耳鼻咽喉科 (ENT) の専門医でした。彼は、航空機工場の音響研究所と個人クリニックを経営していました。
父親がオペラ歌手であるというトマティス博士の音楽的な育ちと耳鼻咽喉科という職業は、トマティス® メソッドの開発の基礎となりました。博士は、爆音の仕事環境で働き仕事関連の難聴を持つ工場労働者の発声障害を観察し、職業性難聴を持つ人たちの声には聞こえなくなった周波数が含まれなくなることを発見しました。さらに博士は、工場労働者に似た症状を示すプロの歌手たちの耳を調べ、聞こえなくなっている音の周波数が声で出しにくくなっていることを発見します。この二つの関連から、聞こえなくなるとその音が出なくなる、ならば逆に聞こえを取り戻せば発声が戻るのではという仮説を立て、検証しました。職業性難聴とオペラ歌手の声の不調、これらの症例を通して、トマティス博士は「人の声は、耳が聞き、脳が処理したものだけを再生できる」という理論を立て、トマティス効果の三原則
①声は耳が聞くことのできるものだけを再生産できる
②もし(それまで届いていなかった)音が耳に届けられれば、声は即座にそして無意識のうちにその音を復元再生できる。
③質の良い自分の声で十分に耳を整えれば、その変化は維持され、持続的な効果が得られる。
を発案し、トマティス®️メソッドと聴覚トレーニングを1950年代初頭に構築しました。