聴覚過敏: 大人も子供も

聴覚過敏は、本人にも周囲からもはっきりと「つらさ」が見て取れる状態ですが、大変不思議なことにあまり耳鼻科で扱ってもらえないのです。

本当に過敏になっている状態ですと、耳鼻科で行う聴力検査の音も相当うるさいので飛び上がりそうになるのですが、お医者さんも看護師さんも笑って「ああ、ごめんごめん」としか言ってくれなかった、そんな風に訴える大人の方もいらっしゃいました。

聴覚過敏という言葉はそれなりに流通しているのですが、定義はまだはっきりとしていない部分もあります。
とにかく全ての音のボリュームの大きさに耐えられない人たち。
快適に聞けるボリュームの範囲が狭い人たち。
特定の音や声に対して強い反応のある人たち。
他にも様々なケースがあります。

音に対する苦痛、そこからくる恐怖に近いほどの感覚はなかなか理解してもらえず、日々大変辛い思いをしている状態の方も多いようです。ノイズキャンセルヘッドホンや自分の好きな音楽で(人によっては両方で)、音の世界から自分を守っている人もいます。みなさんへとへとです。

体が緩まなくなっている状態で、呼吸も速く浅くなっていることが多いです。
表情筋も鼓膜も同じように緩まなくなっている状態だ、とトマティスメソッドでは捉えます。

あなたが、またはお子さんが、安心できる場所でゆっくりと口から息を吐いてください。鼻から息を吐くのと口から息を吐くのでは、不安の下がり方が違うという調査もあります。ゆっくり吸って、ゆっくり吐いて。しばらく繰り返しましょう。背中や肩の力が少しでも抜けていけば、体の方から緩みが生まれてきます。

どうぞ無理せず、疲れすぎず。
静かな安全な場所で、気持ちを緩めてみてください。
そろそろ春。体も緩み始める時期ですから。