頭の悪さはどう測る?

お受験産業がもう当たり前になっちゃっている昨今。
吉祥寺センター近くの中学受験塾には夕方になればカバンを背負った子どもたちがゾロゾロ入っていき、夜遅めの時間になるとお迎えの保護者の方がたくさん出入り口近くで出待ちをしてます。
土日も、夏休みも、冬休みも春休みも!!
通ってる子達は6時間の授業を学校で受けた後に塾です。
学校も塾も宿題が出ますからそれもやります。
「今頑張れば」「難関中学に入るために」「将来のために」彼らは今の楽しい時間を未来のために消費します。
勉強が趣味の子、それで競い合って面白がれる子たちにはいいですが、全員がそうではないです。

超難関進学校に入れば全員そのままエリートになれるかと言えば、それもそんなことないのは皆様ご存知の通り。
超進学校にも順位があります。
超進学校の授業の進むスピードはとんでもないものです。
それは全員できて当たり前と言う空気の中、下の方にいることは相当厳しい状況です。
そんな学校でいい点が取れないと、心が砕けてきます。

「私頭悪いから」
「僕、バカなんですよ」

あのね、と私は思いながら伝えます。
トップのトップになれなかったとしても、君は全体平均より随分勉強ができるよ。
今人類みんなに100メートル10秒以下で走れ、って言われても、できる人とできない人がいるよ。
できない人の方が多いよ。
でもできないことはその人の能力のほんの一つだよ。
長い間頑張って来れたこと、それだけでもすごい力だよって、今言われても全然ピンと来ないのは知ってるけど、伝えておく。
絶望しちゃってるのもわかってる。
もしかしたら今君は心が怪我してるみたいな状態で、ちゃんと能力を発揮できてないだけかもしれない。そうだとしたらまずはしっかり休んで元の自分を取り戻すことだ。
もしかしたら君は元々もっと他のことがやりたかったんだけど勉強の方ばっかりむかされてきたのかもしれない。そうだとしたら今君は勉強以外に面白そうなことがないか探す旅に出るといい。
もしかしたら君は苦しくて苦しくて仕方がないのに誰にもそれを話せなくてどんどん苦しいのが重なってたのかもしれない。そうだとしたら今君はどんどん話していくといい。

学歴偏重で心を壊す子どもたちがいて、そんな子たちが無視されている今。
そんな子たちが自分は自分でいることが、今日生きてて嬉しいなあと思えるようになるようにと、今日も呼吸と発声と聴覚と心理から、脳や認知にアプローチしています。

どうしたらそんな子たちが減るようになるかなあと考えながら。