飛び級のない国のギフテッドの子たち、その子たちのためのスクール

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ギフテッドのお問い合わせが増えています。

IQについて。IQの平均値は100であり、85–115の間に約68%の人が収まり、70–130の間に約95%の人が収まる、と、テストによって、また様々な要因によって多少の数値の前後はありますが大体このようにデザインされています。義務教育は「年齢相当」の知的能力、理解力を元にカリキュラムを組み、全体の70%が理解できる範囲で構成されています。つまり下にはみ出す15%と上にはみ出す15%は計算外になっています。

下側ではみ出した子たち15%は(落ちこぼれとか昔は言われました)今は特別支援の対象です。公立小学校なら通級、特別支援級、特別支援校などのチョイスがあります。できない事を少しでもできるようにして、成人した時にtax payer 税金が払えるような働き方ができるようにする、これは国としても大変解りやすい政策ですので、ここ20年でずいぶん発展しました。多くの母たち父たち、先生たちのこれまでの努力と希望の賜物です。

上側ではみ出した子たち15%(吹きこぼれ、と言うステキなコトバを東大の先生からお聴きしました)。さらにその中の上側IQ130以上は子ども全体の2.5%。ここをギフテッドと呼ぶ事が多いようです。

小学校1年生のクラスに高校生が入れられて、みんなと一緒に行動しなくてはいけない。勉強も一緒に同じスピードで学んでいるフリをしなくてはいけない。答えが解るからどんどん答えると「みんなの邪魔にならないように」「少し黙って」「順番に」と先生から言われ、授業中は他の子たちの理解が進むのを延々と待ち続ける、友だち関係も結ばなくてはならないがどの子もまだ小1で話が合わない…、あなたならどうですか? こんな毎日で嫌にならない子、荒まない子は、本当に偉いなあと私は思います。

ずば抜けた知的な部分だけ上の学年のクラスを受けさせ、所属のホームルームは年齢相当学年、とさせてくれたらちょっと良いですよね。しかし現実問題そんな話は聞いたことがありません。「勉強できるんだからいいでしょ」と教室内放置されているケースがほとんど。かといって自分の好きな事をやろうとすると「輪を乱す」「他の子もやりたくなっちゃうからダメ」などと止められてしまいます。お疲れさま。

私のいた頃の明星学園(吉祥寺)では、5年から9年(中3)までが中等部で、縦割り、つまり学年フリーで受けられるクラスが週1回ありました。これは先生たちの趣味のクラスみたいなもので、付いて来れる者だけ付いてこい、と言う、お楽しみクラス。私は初年度「数学」を履修して、矢野健太郎の「数学物語」を毎週読んで、全員で考えながら討論したり問題を解いたり。これは本当に楽しいクラスでした。適当に週1くらい学校を休んで家で父親の本棚からありとあらゆるジャンルの本を読み漁っていた私ですが、このクラスの日はちゃんと学校に行っていた気がします。

そんな風に、先生たちの知的な部分と子どもたちの知的な部分が対等に対決できるような、そして子どもの年齢ではなく興味と才能で集団が自然に作られるような、そんなスクールを作りたい。「年齢相当」を強いられてヘトヘトになっているメンタルをケアしてあげられて、身体と心のアンバランスも解決してあげられるような、よいメンターのいる場所を作りたい。お母さんたちの困惑と疲労もケアしてあげられる場所を。

ギフテッドに関するお問い合わせを頂く度に、小さかった頃の私と会話しながら、私の夢が膨らんで行きます。