聴覚過敏の緩和と聴く力のアップ

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聴覚過敏の緩和を目的にいらっしゃる方と、聴く力の弱さの改善を目的にいらっしゃる方が、私のセンターには一番多いと思います。

聴覚過敏はとにかく「音に対する感度が上がりすぎて」、「常に『音に襲われそうだ』と不安が高まり」、「身体が身構えて緊張してしまうために」、「どんどん聴覚過敏が強くなってしまう」と言うループで苦しむ方が多い、と、来て頂いた皆さんの話から解ります。ホラー映画とかお化け屋敷とか、怖くて見たくないんだけど目が離せなくなってしまう、そんな感じと似ていると言ってくれた人もいました。
聴覚過敏はとにかく「怖くない音がある」、と脳に伝えてあげる事が大切です。刺激の少ない、言語も関わらない、それでいてリズムと抑揚がある美しい音楽。それを骨導と気導の両方のヘッドホンから聴いて、脳の感情の部分の興奮を鎮めます。
トマティスメソッドはフランスで始まった音楽なのでモーツァルトとグレゴリオ聖歌を主に使いますが、日本発祥だったら何を使ったでしょうね。雅楽か、民謡か、祭り囃子か。

一方聴く力の弱さの改善は、「ぼんやりしている」、「集団で指示が通らない」、「何度も聴きかえす」、「聴き間違いが多い」、この辺りがママたちからよく聴かれる言葉でしょうか。耳鼻科検診では異常なしと言われるけれど、何か??? と感じていらっしゃる親子が多いです。1対1なら話が通るのに、家なら普通に会話してるのに、幼稚園で学校で何かが??? と。
「聞く」と「聴く」は違います。英語のヒアリングとリスニングも実は違います(最近はリスニングと大体のところで言われていますね)。
「聞く」はヒアリングで、こちらは音がしていることを感知できるかどうか。耳鼻科検査はここを調べています。
「聴く」はリスニングで、こちらは入って来た音を理解すること、考えること、感じる事、解釈する事、記憶に入れる事、そこから今度は、返事や反応を感じる事、言葉(と言葉以外のコミュニケーション)にして考えまとめる事、それを返事や反応として出す事。さらに出しながら自分の出している声と言葉(と言葉以外のコミュニケーション)が自分の思い通りになっているかモニターする事、さらにそれを聴いている人に思った通りに届いているかモニターする事。このループ全体がリスニングで管理されているのです。
聴く力の弱さは、「処理可能な分量の情報を、楽しく、集中して聴くこと」のトレーニングです。
分量が少なければ処理はしやすいです。楽しければ意欲が聴く事をサポートしてくれます(ゲームの情報なら一度で覚えるシステムです)。集中していないときに話されれば、それは大人でも確かに理解も記憶も難しいですね、耳と脳に聴く準備をする事と、聴き続ける事を教えていきます。

聴覚過敏があるから聴く力が弱い、と言う子もいます。
それは当然ですね。聴きたくないから聴こえなくしてしまったわけです。人の耳は自分を守るためにそこまで聴く力を弱める事もできてしまいます。この場合はまず過敏のケアをすること。過敏が静まれば、聴いても怖くないかもしれない、と言う希望が本人に生まれて来ます。そこから聴く力のトレーニングです。

トマティスのトレーニングもとても役に立ちますが、風の音、波の音、静けさ、鳥の声、木々のざわめき、雨粒の音…、そんな自然の音たちも、大変良い耳休めになります。身体の力が抜けて、呼吸も柔らかくなります。
家の中で人工音だけで自分を守っている方がいらしたら、ぜひ静かな山の中や海辺に連れ出して、耳休めをさせてあげて下さい。