Vさんは未就学児の時に「聴く力の弱さ」を改善したいとトレーニングを受けました。
まだ言葉も少なく、日本語のプロソディにハマり切っていない状態でした。リズムも、スピードも、イントネーションも、母音も、日本語らしくない状態。英語のほうが近いかな、と感じられる様な喃語…ではないですね、Vさんオリジナル言語を話していました。
コミュニケーションはまだ双方向ではなく、Vさんの意思を伝えるためだけの使い方。
表情はほとんどなく、強張っていました。顔面神経は鼓膜を緩める筋肉とつながっているので、鼓膜の調整もまだうまくいっておらず、その結果おそらく周囲の物音と人の声の区別があまりついていないのだろうと推測される状態でした。
歩くときの体のバランスもどこかフラフラしていて、三半規管の弱さ、ジャイロの未発達感がありました。
目の動きも斜め横の一箇所を見ながら移動するなど、独特な硬さがありました。
そんなVさんでしたが、1つ目のトレーニングが終わってセンターで会ったら、言葉が随分クリアーに日本語らしくなり、人との関わりが増えていました。
「自分の周囲の音の中から人の声だけ取り出して聴く」というずいぶん高度なことを私たちの耳は毎日行っているのです。たまたまこの機能が低めだと、言語の発達も、他者とのコミュニケーションも、視覚情報頼りで、「なんのことだかよくわからない」まま育ちます。
トマティスのトレーニングは、「この音聴いて!!」と時々音の調整を変えて、耳とか聴覚神経とかに「気になる音」を作って、それに集中させるトレーニングをします。鼓膜の調整を変えて「今は聴く時!! 」「今はそれほど聴かなくていい時!!」というメリハリをつけるのです。気になる音があっても、そこに焦点を当てられず、そのまま他の音に流されてしまう「聴く力の弱さ」を、音楽とともにゆっくりゆっくり改善していきます。
APD(聴覚情報処理障害)の本がちらほら見られる様になり、お子さんの聴く力の弱さに気がつく保護者が増えました。
APDケアやっています。トマティスチャレンジしませんか?