今年の夏はお問い合わせも増えましたし、大学院の授業もありましたので、耳休めは北海道大沼公園に3泊としました。
新函館北斗駅まで新幹線で4時間半くらい。福島の風景を見ながら2011年のために祈ろうと思っていたら、大宮を過ぎた所でいきなり寝落ちしました。特に疲れていなかったしそもそも電車であまり寝ない方なので少々ビックリ。しかも眠りは浅く、寝ながら涙が流れて止まりませんでした。涙が止まってきたと感じた時に今度は、耳から頭の上に向けて何度も何度も何かが抜けて行くような、なで上げられるような感触がありました。私の中で、2011年から抱えて凍り付いていた様々な思いが、やっと意識して、出て行けたのかなと大変不思議な気持ちになった時にはもう蔵王を過ぎていました。
大沼公園は静かです。夏休みのピークも外しましたので観光客もそれほど多くありません。ホテルも昼間はガラガラで、静か。二日目は大雨警報が出る程の雨でしたので、外を歩くと誰もいません。雨でびしょびしょになりながら、雨音と遠雷しか聴こえない道で、雨にけぶる沼を見て歩き続ける時間は、東京で24時間人工的な物音を聴き続けている耳には何よりの栄養でした。
そして夜。日が暮れれば、光と一緒に音が減ります。ああ、そうだった、夜って静かな物だったんだよね、としみじみ思いながら深呼吸。雲の切れ間からはとても奇麗に星が見えます。東京でも同じ星が出ていますがもっと弱々しい光にしか見えません。
耳も、目も、肌も、鼻も、口も。
五感の過剰な情報の記憶をしっかり流して、東京に戻って来ました。
皆さんも、たまには自然の奥深くで耳休めをどうぞ。