ストレスの時代からトラウマの時代へ ポリヴェーガル理論講義より

「ポリヴェーガル理論を読む からだ・こころ・社会」津田真人 星和書店が5月に刊行され、昨日津田先生から「ボリヴェーガル理論」について1日学んできました。
多重迷走神経理論とも訳されるポリヴェーガル理論、アメリカのポージェス博士が提唱し、今トラウマサバイバーやトラウマケアの人々から大注目の理論です。

ポージェス博士はトマティス理論もよく学ばれており、自閉スペクトラム症の子どもたちに社会性を持たせるための音楽療法も開発しています。オキシトシン研究の論文も多数あるそうですが、それは奥様がオキシトシン研究の第一人者スー・カーター氏だからだと、昨日の講義で初めて知りました。

この本の中で話題になっているのは、社会がストレスの時代からトラウマの時代を迎えているということ。

ストレス社会時代に生まれ育った人々の体は、何かトラブルや困難があった時に交感神経系が優位になり「戦うか逃げるか」を選ぼうとしますが、その後のトラウマの時代に生まれ育った人々の体は、一気に背側迷走神経複合体が優位になり、「凍りつく」ことを選択する可能性が高い。

不登校の子たちはトラウマの時代の子どもたちです。
不登校の子を持つ親たちはストレスの時代に生まれ育っています。

どうして頑張れないのか。ここで頑張らなくてどうする。甘えではないのか。立ち向かえ。戦え。
という親たちの気持ちは、交感神経系の「戦うか逃げるか」に基づくものです。その気持ちと言葉は、今の環境を生命の危機に近いものだと感じて凍りついている子供達には「否定されている」「理解されない」「受け入れてもらえない」と感じられてしまうものです。

彼らは本当に命がけで生きているのだと信じること。

また9/1がやってきます。今年は9/1が日曜だから多くの学校では始業式は9/2になります。もっと早くから学校が始まる地域もあります。
どんなに日程がバラバラになったとしても、学校に行くくらいなら死にたいとまで思っている子たちがこの日本にいることを、忘れてはいけないと考えます。

ポリヴェーガル理論についてはまた書きます。

9/2は麻布センターを1日開放するつもりです。
学校に行きたくない子はセンターでトマティスの音楽を聴きながらマンガでも読んでリラックスする1日に。
必要なご家庭はメールにてご連絡ください。