聴覚過敏とは、聴覚刺激、つまり「音」に対して、過敏、他の子や人よりとても大きな反応、または苦痛を感じている状態を言います。
小さい子には割と多く見られる状態で、トイレのジェットタオルや水を流す音、打ち上げ花火の音、徒競走スタートのピストルの音、大太鼓の音、運動会の歓声などで、耐えられなくて泣いてしまう子もいます。
成長とともに改善するか、と言うお問い合わせですが、小学校にいる間に緩和して気にならなくなっていく子もたくさんいますが、どんどん強くなってしまう子もいます。
緩和しない理由は「聴覚がメンタルと直結する感覚だから」だと私は考えています。
音が恐怖であるほどの体験をしてしまうと、トラウマとして気持ちにも体にも残ります。
次に同じ音がした時、もちろん同じような恐怖にさらされますし、「また怖い音がするかも」と予測してしまい、不安が高くなってしまうこともありえます。こだわりの強さを持つお子さんですと、そのこだわりが「音がまたするかもしれない」ということに出てしまうこともあるようです。
そんな風にビクビクしている状態は、体にも影響します。
鼓膜は音の大きさに対して張ったり緩めたりしながら入ってきた音のボリュームを最適化しているのですが、ビクビクしていると緊張から常に張りっぱなしの状態になるようです。恐怖のあまり目を見開いている状態に近いかもしれません。
目ならつぶれば良いのですが、耳にはまぶたがないですし、さらに言えば体も響きとして音を感知しているので、イヤーマフをしても音の遮断が完全には出来ません。
神経系的に言えば交感神経が活性化してしまって、いっときも休めない状態、しかもそれが続けば続くほど、休まっていない体は過敏さが酷くなってしまう、と言うループに入ることも多い、と、聴覚過敏ケアでセンターに来る子どもや大人の方のお話からは感じられます。
上司のパワハラなどの音トラウマが聴覚過敏を作ることもあり、それまでそんなに音なんて気にしてなかった方が急に音に弱くなってしまう時もあります。

トマティスの聴覚過敏ケアは、聴覚ケアとメンタルケアの両面から過敏さを緩和する方法です。
トレーニングで張りっぱなしになっている鼓膜を緩め、神経系を穏やかにして、リラックスの副交感神経系が活動できるように促します。

トレーニング前に今の聴覚の状態をグラフ化し、さらにメンタルの状態も必要ならばしっかり調べ、どんなスピードで、どんな風にトレーニングすることがベストかを探り、ご自宅に機材を持ち帰ってもらってお家で無理のないペースでトレーニングしていただき、また聴覚の状態とメンタルの状態をしらべます。

困っている方、どうぞご相談ください。