トマティスメソッドの研究は、脳科学者と心理学者、言語学者が中心になって行われています。

20世紀、人間の感覚は「本人に感じられても測定が難しい」ところで、どうしても科学に上手くフィットしませんでした。エビデンスベース(証拠中心)の研究にするためには当然測定した証拠が必要だったのですが、当時は脳波を測る事と本人の証言くらい。脳波計はどれほど精度を上げても、やはり読み取れるものは少なかったそうです。

21世紀直前になって、fMRIを始めとする「働いている脳の活動計測法」が進歩したおかげで、「実際にそれを感じていると脳のどの辺がどうなるのか?」「それは同じように感じている時に他の人の脳でも同じようになっているのか?」などが見えるようになり、一気に研究が進化し始めました。

そして現在、世界のあちこちで様々なトマティスメソッドの研究が進んでいます。

例えばリズムと身体の運動の関係について。

リズムを身体に同期させるためにテンポは大事です。これは身体のパラメーターとして大事であり、人間の脳には普遍的にどんなリズムとテンポがいいか? これまで教育界はあまりリズムを重視していませんでしたが、言語も人の仕草のマネも認知機能も、高次な認知機能それ以上の部分まで、私達のシステムがリズムを認知・再生する事と関わっているのです。

思考と感情のつなぎにもリズム・テンポ・ビートが必要で、それは脳の視床を刺激します。ビートは自分が真ん中にいる感覚とつながり、ビート=エネルギーの変化を感じさせ、前庭蝸牛的感覚に働き掛けます。ビートとビートの間にもリズムがあり、外界の刺激は予測されます。この「予測できること」は学習にとても大切なことです。私たちの脳は、音楽を聴く時にも予測できるようになっていて、1/30秒の前とかそれくらい短い時間ですが、次に来るべきビートにシンクロしていくのだそうです。

この予測をできるのは人間だけで、この予測機能が思考能力と直結する、と昨年5月のトマティス世界大会で発表されていました。聴覚トレーニングで予測機能を身につけることから、子どもたちの思考能力がアップするのだ、と。

人の話す言葉も、目で読む言葉も、やはりリズムです。リズムが掴みづらい子たちは学習に大きく困難を感じます。それは会話でも、運動でも、日常生活でもなんでもそうです。

そして大人でもストレスでヘトヘトだったり、大変な状況で思考や認知が歪んでいる時に、やはりリズムが乱れます。

あなたのリズムを取り戻し、脳と気持ちが楽に働けるように、トマティスメソッドがお手伝いします。