Qちゃんの場合。
Qちゃんは6年生。自閉症です。お喋りですがコミュニケーションはやや一方通行。
苦手な音があります。時々変わりますが、5年生になってから男の人の咳払いがどんどん嫌いな音になってしまいました。
男の人が近くにいるだけで緊張が始まり、咳をしようものなら「お咳はぃやだよぉ」と大声を出して落ち着かなくなる日々だったそうです。ご両親が「聴覚過敏」で検索して私のセンターにご連絡を下さいました。
緊張します。新しい所は苦手です。ですのでセンターに来て頂くと言うのもどうなのか? とご両親と何度もメールでやり取りしました。「入って5分も持たずに『もう帰る』と言うかもしれません」と書いていらしたので、「そうしたらいっしょに話しながら近くの児童公園にでも行きましょう」と御返事した所、ホッとなさったとか。
来所日は私が部屋の外に閉め出されましたが、本人はパパママと楽しくひととき過ごしていました。
そしてご自宅でトレーニング。
一ヶ月くらいしてからでしょうか、ママからのメールで「最近は、男の人の咳払いを聴いても小さい声で『お咳は嫌だよ』と言うだけになりました」とあり、ほほー、いい効果だなあと感心しました。
もちろん日によって、または体調や気分によって、気持ちが落ち着かない日もあると聴きます。
けれど、調子のいい時ならそれくらいの反応で済むと言う事は、Qちゃんの世界をずいぶん穏やかで理解しやすい物にしてくれたなと、トマティスのトレーニングに感謝しました。