私たち大人がネット検索をかけても、最初にAIによるまとめが出るようになった2026年。
まあ簡潔にまとめてくれていますし、ちょっと知りたかったくらいの検索ならその答えで十分と思って使っている方も多いと思います。
さて、子どもにはAIってどんな影響があるのでしょうか?
良い点、問題になりそうな点、考えてみたいと思います。
◯良い点1「とにかく簡単」
紙の辞書より電子辞書より、誰かに聞くより、ずっと早くAIは大体まとまった答えを出します。キーボートーがまだちゃんと打てない小学校低学年でも音声検索で、呼びかければ答えを出してくれるし読み上げ機能を使えば声に出してくれる。簡単に調べ物ができる時代です。
●裏返すと問題点1「考えなくなる」
学校教育にとっては大きな恐怖です。調べ物学習の宿題は意味をなさなくなりますし、先生たちは新しく彼らの言語的思考、言語的プランニング、言語的要約などの力(たぶん言語の部分が相当育ちにくくなると思います特に小さい子)を育てる方法を考えなくてはいけない(しかも大至急)わけですから。
けれどこれは新しい進化が起きた時に必ず出てくることです。文字が開発された時、車輪が開発された時、テコの発見とかもそうだったのではないでしょうか。人が人の筋肉や脳みそだけで物事を解決するしか方法がなかったところに新しい技術が発見されてそのリミッターを外す、AIの台頭はまさにそんな出来事ではないかと思います。
◯良い点2「親の手を煩わせない」
「忙しいのにそんなこと聞かないで」とか「自分で調べなさい」なんて言葉も過去のものになりますね。「わからなかったらチャッピーに訊いて」とかもう当たり前に使っているご家庭もあると思います。自分たちも便利に使っていたら信頼もあります。
●裏返すと問題点2「人との関わりが面倒になる」
ちょっと待てば、とか、うまく話せば、とか、そういう一手間がもう面倒で仕方なくなると思います。特に思春期、または小学校高学年あたりから。人の心は、いいこともよくないことも含めた色々な経験をして大人に向けて育つものです。うまくいかない対人関係のトラブルが起きた時、「面倒→回避」のループを取ることは誰でもあることですが、常にこのループを使っていると同じようなパターンの問題は解決できないままになります。大人になってもこれだと心の子供っぽさと繋がります。タイパ重視の今の社会、若者たちの心はすでにそっちに傾いて育っているかもしれません。
「スマホは人と繋がりつつ距離を離した、人と人がなかなか親密にならない時代が来た」という小さなニュースが先月末に目に入りました。
AIはそれをさらに広げ、相談事などが友人との間ではなくAIとの間で行われるようになるのだと思います。
◯良い点3「原稿チェックなどは簡単に」
高校生、大学生、そして社会人になると、レポート、小論文、論文、提出物など、さまざまな「自分の考えで書くもの」が増えます。AIがあれば、自分が書いたもののチェックは簡単になります。実際、ざっくり書いたら会話しながら仕上げている人はすでにいっぱいいるでしょう。
●裏返すと問題点3「全部頼みたくなるのが人情」
「16世紀フランス王族の衣装の特徴についてまとめて」「海洋生物の減少のデータとその解決方法について教えて」「卒論のいいテーマを考えて」「通る修論考えて」「社内ハラスメントに対する効率良い解決方法を考えて」「就活で有利な自己アピール書いて」
なんでも考えてくれるなら、お願いしたくなるのが人情。ここでもだんだん自分で思考することを手放してしまう傾向が考えられます。卒論、修論などの学位がかかる論文ワールドも今大変なことになっていますし、就活生たちの出してくる志望動機がどんどん画一化してきて大変だと訊いています。
本人の資質を見るための提出物は、本人以外が手伝ったら基本アウトです。なぜなら本人の能力が見えなくなるからです。けれどそのモラルも変質しつつあるのが現状。会社の入社試験も形を変える時期にくるのでしょう。
心と思考が完成した大人がAIを便利に使うことと、心と思考が成長中の子どもたちがAIを便利に使うこととは、大きく意味が違います。
心の一部、思考の一部をAI任せにしていいのか? それが人類の進化だと認めるべきなのか?
古い人類としては悩ましいところですが、「AIに相談してもわかるわかるしか言ってくれないから」とカウンセリングに来る人も出てきました。
人は人と関わる中に安らぎと安心感を見出します。
特に子ども時代は、生涯の安心安全感を作る大切な時です。
子どもたちが宿題の答えをAIに尋ねて母たちの時間削減になっているなら、その分近くにいる時間を増やしたり、AIを使うところを横で見たりして「近くに大事な人がいてくれる、自分を見ててくれる感触」を増やしてあげましょう(その間スマホで何かやるのは我慢して)。
10年後、20年後に感謝されますよきっと。