APDとはオーディトリープロセッシングディスオーダー、聴覚情報処理障害と訳されます。
LiDとはリスニングディフィカルティーズ、聞き取り困難症と訳されます。
どちらも聞くこと、理解すること、それに反応することに、とても苦労している状態です。
聞こえているのに聞き取れないと、意味理解に時間がかかります。
何度も聞き返すことになり、気持ちも辛いです。
聞いたことにすぐに答えることも難しいので、孤独になることもあります。
センターに来るAPD,LiDの方は、まず耳の焦点の当て方が弱いことが多いです。
いつ、どこから音がしているか、ちょっとわからないままに聞いている。
この状態だと、音がした瞬間に意識がその新しい音に対して焦点を当てるスピードが遅くなります。
なので最初の聞き落としが出てきます。
次に聞きながら理解することが苦手な場合があります。
聞いたことは理解できる。でも何かを聞く時って、聞くことと聞いたことを理解することを同時にしています。
この「同時に処理する」ことが難しいこともあり、そうなると聞こえているけれど理解できない、理解するためには頭の中で外の音を遮断して処理するしかないこともあります。前の音が頭に残っていて邪魔する、という方もいました。
そんな複雑な処理をすることはかなりの疲労を伴うので、集中時間が短くなる子ことが多いです。
疲れていない時は聞きながら理解していても、疲れてくると聞くだけになる、一休みする、ぼーっとしてしまう、そんな方もいます。
それから気持ちと評価の問題。
聞こえてても理解できずに会話に参加することは、恐怖や不安と背中合わせです。
ヒヤヒヤしながら生活している方もいます。
どうしてみんなと同じようにできないのかと落ち込んでいる方もいるでしょう。
子供であれば、聞き返しが多い子、一回の話で理解できない子と捉えられ、知的に低いのか、集中が足りないのか、と疑われます。
現在日本で一番多く使われている知能検査のWISCとWAISは、言葉での指示を聞いて答える問題も多いため、APDやLiDの人たちは不当に知的に低めと評価されている可能性もあります。
トレーニングに時間はかかりますが、改善が見られることの多いAPDとLiD。
トマティスのトレーニングとメンタルのケアで、改善は見込めますよ、補聴器とかじゃなくて自分の耳の機能のブラッシュアップで効果がでますよ、と広めていきたいと思います。