https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/18611.html?fbclid=IwAR1Y2eJfznnaf18DzEW86DCC0ZlFUc-y0wT2Xth2gpeV5yrwrmAV0WT-ap0

文字を覚える、書く、の部分が苦手なんです、という子がきた時は、やはり一通りのことを気をつけながら面接しています。

それが書くことだけ、つまり手先の運動、微細筋肉のコントロールの問題なのか。
勉強することに何か失望などがあってやる気がなくなっているのか。
会話はスムーズか、年齢相当の言語や理解ができているか、またはそれをはるかに凌駕してしまっているか。
目の動きと視覚的認知に問題はないか、読み間違い、目で見て判断などでミスが多くないか。
耳の働きと聴覚的認知に問題はないか、聞き返しなどが多くないか。
感覚過敏、特に触覚過敏や聴覚過敏の状態はどんな感じか。

1.5時間くらいの面接時間で、聴覚チェックをしたり、ヘッドホンでトレーニングの音楽を聴いてもらったり、センターにあるおもちゃで自由に遊んでもらったりする様子から、いろいろ情報を捉えつつ、保護者と話したりしています。

本当に一人一人違うので、毎回真剣勝負な感じです。

日本の小学校はとにかく書かせます。特に文字は書くことでの定着を狙います。書くことが本当に苦痛でしかない子たちのことは置き去り、いえいえ「怠けてる」「サボってる」「できないはずない」と追い詰めます。自己評価がものすごく下がります。
合理的配慮が認められはしましたが、小学校でパッドでノート取っていいし板書は写真撮っていいよ、と言ってもらっている子が日本で何人いるでしょう。

子どもの側も特別扱いが辛いこともあります。書けない以外は普通である子たちは、やはりその書けなさが恥ずかしい気持ちとつながります。「どうしてここだけみんなみたいにできないのかな」という気持ち。なので、親が学校と交渉してパッドの使用を認めてもらっても子供が拒否することもあります。

聴覚過敏がまだ知られていない頃のイヤーマフ、ノイズキャンセルヘッドホンの扱いと似ているなと書きながら気がつきました。目立つ特別扱いが嫌で我慢している子も何人も見てきました。

書くことが苦手なお子さんをお持ちの保護者の方は、次の個人面談の時に「この学校でパッドを使ってノートがわりにしたいってお願いしたら、通る可能性ありますか?」と何気なく聴いてみるのもいいかと思います。先生には「そういうニーズがあるんだ」という気づきになりますし、保護者の方も実効性の有無がはっきりしないで悶々としている時間が短縮できます。

ただしこの時注意すべきは先生にきちんと秘密を守ってもらうこと。
生徒たちや本人にうっかり話さないように口止めしておくことは大切です。先生を信頼してたら子供たちに向かってぺろっと言っちゃった、という話も聞きますので。

子供たちの育つ環境を一人一人にマッチしたものにするために、保護者も活躍している、というのを成長した後の子供とシェアしてお互いにっこりできるといいですね。頑張る保護者にエールを送ります。