就学前検診に不安を感じる保護者の方へ

お子さんの発達にトラブルがある、これだけでも心配で一杯でヘトヘトになるのに、幼稚園保育園の年長さんになると就学前検診の話が流れて来ます。

小学校には大多数が通う普通級の他に、特別支援級、特別支援校があります。

普通級はこれを読んでおられる保護者の方にもご記憶があるでしょう。多数の子供たちが通います。ここで不自由が無ければみなさんここです。

特別支援級は普通級のある学校に併設されていて、少人数または個別対応がその子の成長にふさわしい教育である場合に選ばれます。同じ学年の子の普通級と交流クラスとなって、一緒にできそうな単元やイベント準備を合同でやる自治体もあります。

特別支援校は身体に不自由のある子たちも一緒に通いますからもっと環境整備がしっかりしています。車いす対応も学校ですがちゃんとなされています。もっとゆっくりしっかり、18歳になる辺りまでに生活の自立と就労準備を、と通っている子が多いでしょう。ステキな場所です。

通級の教室というものもあります。これは主に普通級で授業を受け、その子のできない所(算数だったり読み書きだったりコミュニケーションだったり)を取り出し授業で補う場所です。聞こえとことばの教室は通級でも言語に困難を感じる子が通います。通級は自分の学校にあるとは限りませんので、数時間のクラスのために移動があり送り迎えが必要な場合もあります。2016年度から全公立小学校に発達に問題を抱える子に対応できるクラスを作ることになっていますが、自治体によって進み具合は様々です。

さて6歳になるかならないかの時点の子どもたちって、まだぴよぴよしていますね。育ち方もスピードも人それぞれ。ですのでハッキリと集団教育より個別教育の方が伸びる、と解れば支援級支援校を選びやすいのですが、ここが悩ましいところです。

就学猶予と言う制度もあると聴くからさらに混乱です。就学猶予というのは小学校入学を一年遅らせること。ゆっくりしたタイプの子だと「一年後ならちょうどいいかも」と思えることがありますから。けれどこれは自治体によっては「ウチではやりません」と断られることもあります。理由を聴くと「義務教育は15歳までですから最後の一年がごにょごにょ」となんだか歯切れの悪い説明が帰って来たと仰った保護者の話を聴きました。まあ異年齢の子どもが集団にいるのがイヤなのだと思います。

どれを選ぶか。難しいと思います。悩んでいる方はどんどん見学に行って下さい。決めても色々あります。(1)通学が近い、(2)きょうだいが通っている、(3)全体の人数が少ない、(4)なんとなく雰囲気が好き、(5)話した先生がとても良かった(ただこれは次の年に転勤ということもあり得ます)、(6)小学生たちが優しく挨拶してくれたetcetc.

長くなりました最後に一つ。今まで色々な保護者の話を見て聴いて解ったことは、教育委員会を「敵」と思うことは話がこじれる元だと言うことです。彼らはあなたとあなたのお子さんのことを心配する係です。心配のあまりこちらの思惑とはかけ離れたアドバイスが来ることもあるでしょう。それはあなたのお子さんに付いて彼らにあなたほどの知識が無いからです。冷静に丁寧にプロ(特別支援の先生やお医者さんやカウンセラー)の言葉があればそれを提示して、現時点で自分の子どもにはここがふさわしいと思うので、ここへの就学を希望します、と何度も説明しましょう。ここから9年間は教育委員会とつき合うのですから、いきなり喧嘩にする必要はありません。地域によっても取り組みに差があり、担当者によっても温度が違います。まだまだ知識の無い人もいますし、ツラい言葉を聴く時もあるでしょう。でも、あなたのお子さんのことを一番良く知っているプロとして、正しい知識と明るい心で小学校を選んで下さい。