「うるささ」を理由に教室に入れなくなった子たちが今までに何人か来ていますが、新一年生がちょっと増えて来たので書きます。
センターで会うと、真面目なタイプもいます。割と笑いをとってくる子もいます。
ヘトヘトになって人生に絶望した感じで私を「大人は信じられない」という目で見てくる子もいますし、親に隠れるような内気なタイプもいるし、家でしばらく休んで元気を取り戻している子もいます。
どのタイプも話題が学校になると突然表情がこわばり、体に緊張が走るか、手元のおもちゃに熱中して聞こえなかったふりをしたりします。
どの子も、どの子の親も、苦労しています。
新一年生がこんな風に来ることの原因は何でしょう。
小一ショック、中一ショックという言葉が一時期流行りました。
今までの生活と大きく違う学校生活にショックを受けて、学校と学校での勉強がとても難しく感じられる、そんな意味だったと思います。
この発見を受けて、保育園では就学前の1月あたりからお昼寝をなくすところが増えました。確かに給食後に眠る習慣があったら5時間目の授業はきついですよね。
幼稚園でも保育園でも「もうすぐ一年生だから」という言葉で次の準備を結構多くさせるようになったのでは、と感じています。
聴覚過敏になる子って、割と真面目で緊張しがちで我慢しがちな子がちょっと多い気がします。
一年生になるから先生が言ってたみたいに頑張らなくちゃ、と言う気持ち。
教室がうるさいけどみんなは平気だから我慢しなきゃ、と言う思考。
自分が頑張りすぎかどうかなんて、6、7歳の子にはまだわかりませんからね。
きっかけがある子もいます。
先生が自分を大声で叱ったことだったり。
他の子を大声で叱ったのを聞いた時だったり。
隣の席の子がずっと喋ってる子になっちゃってたり。
クラスメイトの何気ない一言だったり。
体育館の反響音がダメで入れなくなった子もいます。
音楽でピアニカが始まった時から「もう無理」ってなった子も。
と、ここまで読んだ方の中には「昔もそんなことあったけど、そして教室にはもっと人が多くて騒がしかったはずだけど、どうして今の子は?」と思う方もおいででしょう。
感覚の過敏さは、自分を取り巻く環境との摩擦が多ければ多いほど、長ければ長いほど上がってしまいます。
昔より授業時間が長いと言うことも原因かもしれません。
放課後に、耳環境的に「ホッとできる」野原とか公園とか河原とか、そう言う場所に(ドラえもんに出て来る土管のある原っぱとかもそうですね)行って、ぼんやりと何もせずに耳休めをする時間が取れない、それも原因かもしれません。今時の子供達は忙しいですからね。
寝る時も、都市部だと街の音は結構しています。毎晩静まり返った夜で寝られる子とそうでない子には、耳のストレスに違いがあるでしょう。聴覚神経は寝ている間でもしっかり働いているので。
大人は今の環境に適応してしまっているので忘れていますが、耳にとって自然の音は大切です。たくさんの周波数をたっぷり含んだ、ゆらぎのある音。常に変化する豊かな音です。
次の休み、風が吹く日なら。
大きな木のある公園に行って風でざわめく木々の音を聞いたり、海や川に行って波の音や流れる水の音を聞いたりして過ごしてください。
退屈するようなら、親子で好きな本でも持って、ランチとおやつと飲み物も持って、外で耳を休めていきましょう。
雨の日なら窓を開けて、雨音を聞くのも悪くありません。
一日終わる頃には聴覚過敏がほんの少し緩和してるかも。
どうにも過敏さが変わらないようでしたら、みみいくまでご連絡くださいね。