不登校児のための公立中学発進

https://forbesjapan.com/articles/detail/40608/1/1/1

岐阜でこの四月から不登校児のための公立中学がスタートします。

定員40名
すべての授業はオンラインも併用のため通学してもしなくてもOK
担任教師は生徒側の選択制
時間割は教師と生徒が相談しながら一緒に決める(義務教育としてはきわめて異例)
職員室は生徒に開放する、生徒は食事をしてもただくつろいでもよい
開校時の先生は異動でなく手上げ方式
と言う形だそうです。

希望する先生しかいないこと、担任は生徒が選べること、この二点は大変大胆だと思います。全ての学校がそうなればいいのにな、とも。

オンライン併用は、時代の賜物ですね。公教育では病児のための訪問授業は存在する地域もありますが、そうでない限りどうしても学校という場に来てもらう/行く以外に勉強の手段はなかった。いい時代だと思います。

感覚に過敏さのある子供、特に聴覚過敏のある子たちの中には、教室がうるさくて入れない子もいます。この子たちは勉強の権利を奪われています。
みんなと同じような我慢ができない、と自己評価も下がりがちですが、実は聞こえている音の大きさは一人一人違うという事実が浸透していないためにそんな悲しい思いを抱えてしまいます。
そんな子たちにも、オンラインで安心できる自室または自宅から授業が受けられることは、本当にありがたいことでしょう。

時間割を自由に決める、これは始業時間もひょっとして自由なのかと、ここも期待します。午後からならば元気な子たちが勉強の権利を奪われているので。午前と午後に先生たちが数コマずつ用意して、そこから選ぶ方式かな。卒業までの習得単位をどう考えているのかも知りたいところ。

あとはギフティッドの子たちのためにスペシャルプログラムを立ててくれれば文句なしです。これは各々の先生方が教科書にこだわらずにご自身の興味関心で授業案をいくつか出してくれればいいので、実は実践しやすいことです。

私のいた頃の明星学園中等部には学年不問の選択授業があって、生徒のほとんどがワクワク選んで授業を受けました。体育、音楽、工芸、木工、文学、科学、地理、歴史、数学など、様々なクラスがありました。
中一当時は数学が一番好きな科目でしたので数学を選択し、数学の先生と上級生と一緒に矢野健太郎の「数学物語」を通読しました。なんとも渋くて素敵なクラスでした。
書かれていることについて討論しながら、もっと学びたい、と強く思ったことが忘れられません。

好きなことからなら、ずいぶんたくさんのことを子供たちは学びます。
好きでもないことから学ぶのは、ずいぶん大変なことです。それは大人も同じではないですか?

素晴らしい学校設立。ぜひ、日本中に広まって欲しい、自治体一つにつき一校生まれて欲しい、と思います。