中央線青梅駅から車で50分。丹波山村は山間の静かな場所です。
この村では親子山村留学を受け入れています。小学校全校生徒10人弱、中学校も同じくらいの人数なので、聴覚過敏をお持ちのお子さんとその保護者、集団が大きすぎると辛い子とその保護者たちが移住して静かな場所で日々を過ごしています。
村をあげてのお祭りなど長年伝わって来た伝統的なイベントも多く、山、川、畑で働く人たち、猟師さんたちなど、都心で育っていた子たちにはびっくりな生活環境でしょう。長年見ている子の一人がここで暮らすようになって5年。小さく縮んでしまっていた彼の身体と心が、ゆっくりゆっくり広がって行ったのを見せてもらった5年間でした。

前々から「一度来てください」と言われ、なかなかチャンスがなかったのですが、今年ちょうどいい感じに話が進み、2/2の日曜に丸一日行って来ました。

午前中はレクチャー。子供の環境としての大人の声と発声、そしてセルフケア、という感じでざっくりテーマを決めてありましたが、あとはいらしてくださった方を見ながらその場で決めようと始めました。
一人一人のお名前を伺いながら声のチェック。大きい声、小さい声、喉がしまっている声、腰が痛い声、ドキドキしている声、あら元気ですねと言いたくなる声、本当に一人一人いろいろです。
声そのものはいろいろで当たり前ですが、詰まっていたり、苦しそうだったり、不安そうな声には、それらの感覚を言葉で説明して理解してもらい、そうではない声を出すワークを少ししてもらうと、本人より周囲が驚きます。声って、作らなくても体の状態で変わるんだ、という驚きです。
小さな村なので、人数も程々でしたので、午前中から一人一人のご相談にも応じることができて充実した時間が取れました。

ランチは村に新しくできたパン屋さんの美味しいパンとコーヒー。粉がいいのか、作り方がいいのか、あと水がいいからかなあ、とても美味しかったです。

午後は個別でじっくりと。話を聞かせていただき、一緒に現状を俯瞰して、心配事へのアプローチを探ります。
母たちは、本当に自分の子供のことが大好きで、だから心配で、それが焦りになったり怒りになったりしてしまうことがあります。
母たちにもケアは本当に大切で必要なことです。

放課後の子供たちが出入りして遊び続ける古民家改装のコミュニティセンター。子供たちの好奇心いっぱいの眼差し「だれ、このおばさん?」。
外に出たり、中に入ったり、大声出したり、走ったり。すごい元気なエネルギー。

相談が終わったらもう夕方で、お腹がぺこぺこに空いていて残ってたパンとか慌てて食べて。
村の温泉までご馳走になってゆったり浸かって、帰りました。
素晴らしい空気と静けさと暗闇。贅沢で羨ましかったです。