T君のママから、トレーニングが終ってしばらくしてメールを頂きました。

当時中学3年生の息子には発達障害、不安障害などがあり、精神面でも疲れきっていました。特に不安からくる妄想が、日常生活の質を下げていました。物音がすると、誰かが自分を傷つけにやって来たのではないか?外で子供の叫び声が聞こえる…など、音に対する過敏さが恐怖の気持ちに変わり、本人を苦しめていたようです。
そして、この過敏さが少しでも和らげたらいいなと思い、9月から耳のトレーニングをはじめました。
9月~5月までのトレーニングで、子供に起きた変化が色々とあります。
トレーニング早々、教室で授業を受けているときに気になっていた、違う階にある音楽室からの音が聞こえなくなり、集中して先生の話が聞けるようになったと嬉しそうでした。次第に周りの音に振り回されることも減り、人の声が聞き取れずに何度も聞き返したりすることがなくなりました。
息子は、「耳のトレーニングをやって本当に良かった!」と何度も口にしますが、二村先生と沢山話をする中で、それ以上に先生から元気や勇気をもらったと感じています。
今は寄宿舎に入って高校生活を送っている息子ですが、周りとのコミュニケーションも困ることなく楽しんでいるようです。また、学習意欲が出てきて、苦手な英語・漢字の検定にもチャレンジ!無事に合格することができました。
誰もが持っている学ぶ力という歯車を、息子が自分の力で、しかも楽しみながら動かし始めているのが伝わってくる今日この頃です。

読ませて頂いて、素晴らしい効果がトレーニング中から出ていたし、それがトレーニング後もちゃんと続いているのだなあ、と本当に嬉しくなりました。

全ての子がそんな風に変化するとは言いませんが、ヒットする子には本当に素晴らしい改善が見られます。それは聴覚だけに留まらず、コミュニケーション、自己認識と自己肯定感、意欲、将来を見ようとする力、つまり、一人の大人として当たり前に備えるべき力を育ててくれるのだなあと。

逆から言うと、彼の本来持っている一人の大人として当たり前に育つ様々な力が、聴覚を中心とする混乱と困難によって引きずられ、母子ともに苦しい時間を過ごしていた、と言う事になりましょうか。

T君は、彼の抱える不安からママとの分離が難しいくらいに退行している部分も見えたので、親子トレーニングを受けてもらいました。

お互いがお互いのコトバでイライラっとしてしまう、毎日小さく傷つけ合ってしまう、ヘトヘトになっている、だから余計に不安といらだちを感じてしまう。

こんなバッド・ループにはまってしまった時には、耳からの気持ちとコミュニケーションのリセットがとてもよい効果を双方にもたらします(私自身もかつて体験してビックリした事です)。

聴き合う力。プラスの興味を持ち続ける力。話をするのが楽しい力。一緒にいるだけで落ち着く、楽しいし、ワクワクする。それは親子の基本、家族の基本、人間関係の基本です。

手に入れる事ができたTくんとママは、お互い信頼し安心して分離できるようになったと思うのです。

本当に良かった。