子育て中、大体の保護者は子どもに「苦手なことを克服して欲しい」「苦手なことをなくして欲しい」と考えていると思います。
昔の子育ては「自分の子供も人並みに」とか「他人様の迷惑にならないように」とか「普通に」育って欲しい、と躾けていました。うまくいった親子もあるでしょうし、ウキ区いかなかった親子もあるでしょう。
苦手なことがどこから来ているのか。
それによって、克服できるかどうかは変わる、と親が知っていることは大事なことです。
小さい頃の私は大変字が汚く、よく母に叱られていました。また、漢字を読むのはとても早かったしどんどん学べたのですが、書く方は大変苦手とするものでした。
強い左利きで生まれていたので、右手で鉛筆を持つだけでストレスです。さらに「文字を書くために動かす動きは全部自分の体が動かしたい方向とは逆」です。1、2年生時点では平仮名も裏文字を多く書き、よくバツがついていました。
母からすれば「注意、集中、努力が足りない」としか見えず、もっと家で書く練習をさせねば、と思っていたと思います。家業が忙しくて母は私の勉強を見る時間など一切取れず、母のストレスは高かったと思いますが、私のストレスはそんなにあげなくて済んで幸いでした。
そんな子に「できないんだからもっとやらせなくちゃ」と感じてしまうのは古いやり方です。
今の私がその頃の私に出会ったら、「書くのは苦手? じゃあまずパソコンで書いてみようか」とか「左利きだったの? だったら鏡でも見ているかもしれないね、両手でいっぺんに表文字と裏文字書いてみようか?」とか話してみるかなと思います。
無理強いされたらどんどん嫌いになっちゃうかもしれませんからね。まずは本人も困っていることを「わかるよー」と伝えて、どんな風に楽しめるかな、と探していくでしょう。
うまく回避しながらできないことを進めていくにはどうすればいいか?
クライアントの子たちに会う度に、そんなことばかり考えています。