東中野で月に一度ほど心理職のお仕事をしています。
今日もそれだったので伺ったところ、いらっしゃる方が体調不良によりキャンセル。時間が余りました。
先方は恐縮してくださいますが、私は自由時間が増えたと喜ぶタイプ。夜のクライアントさんまで何をしようかな、と思ったところでポレポレ座のスケジュールをみると11時半から発達凸凹関係の映画をやるらしい。タイトルは「だって しょうがないじゃない」。
数軒先の小さくてとても美味しいコーヒー屋さんでコーヒーを飲みながら調べ物などし、時間になったのでポレポレ座へ。


映画予告も一つ一つかなり心に響き、ああ、今、私はこういうドキュメンタリーを見たい気持ちなのだな、と改めて感じました。
そして本編。50代後半の知的を伴う広汎性発達障害と診断されている男性を、その少し遠い親戚である映画監督が撮ったものでした。
男性は20代からお母様と二人暮らし、五年前にお母様を亡くされてから一軒家で一人暮らし。
彼の叔母さんが後見人となり、お医者さんの診断書をもらって障害者年金を取れるようにし、全体のコーディネーター。
掃除サポート、買い物サポート、傾聴ボランティア、いろいろな人たちが彼の生活を支えてくれて、一人暮らしが成り立っています。
けれど、本人も年を取りいつまで一人で安全かどうかわからない、叔母さんも年を取りいつまでこうして支えてあげられるかわからない。ホームを探したほうがいいのか、という相談と、なかなか言えないけどここに住み続けていたいんじゃないのか、という監督の気持ち。
年をとるということはどの人にも平等にやってくる、その時障害のあるなしに関わらず人は様々な選択を強いられる、その気持ち。

発達の問題を抱えるお子さんを持つ保護者に、いつかやってくるテーマを、そんなに深刻ではなく、さりとて「いい話」にしようともせず、こちらの「考える」気持ちを静かに突いてくれる良い映画でした。