発達の問題を扱って20年近くになりますが、ASD、ADHD、LD、聴覚過敏、聞く力の弱さ、などのキーワードで一括りにされている人たちのバリエーションの広さにビックリし続けています。

ざっくり言えば聴覚過敏の子が苦手なのは大きな音、急に来る音、あちこちからする音、辺りがトップ3でしょう。
なので、クラスに聴覚過敏の子がいた場合、「わーっとみんなが盛り上がっている時がしんどい」「静かな場所で急にビックリするほどの音がした時が恐怖」「教室のざわざわが苦手で入りたくない」などがよく聴かれてくること。すると「みんな〇〇さんのために教室では静かにしましょう」と言う先生の言葉になったりして、これも本人につらい時があります。
疲れていると過敏さは上がります。
我慢しすぎてもそうです。
みんなに悪いな、なんて「すまない気持ち」を持ってても過敏さが上がる事はあります。


一方で、嫌いな先生の声に対して過敏、工事現場の音に過敏、打ち上げ花火の音や雷の音や大太鼓の音に過敏、救急車のサイレンに過敏、など、特定の音源とそれに近い音に対しての聴覚過敏も耳にします。
先生の声は大人のパワハラと同じ音トラウマの問題かと思います。
急にくる大きな音への過敏は、もしかしたら原始反射が身体に強く残っているのかもしれません。
救急車のサイレンは怪我とか事故とかを連想してしまうために過剰に反応している可能性もあります。

聴覚過敏はボリュームだけの問題ではありません。
イヤーマフやノイズキャンセルヘッドホンでも解決できなくて学校に行けなくなる子がいるのはそのためです。
音を回避するように生活を組み立てる事は緊急時の対応としては正しいことです。
しかし人は人と関わって育つ生き物ですから、回避し続けでいいのか、ある程度集団に参加できるようにした方が良いのか、保護者としては悩ましいところでしょう、

その子その人が何に対してどんなふうに聴覚過敏を起こしていて、どうしていけば過敏さの緩和が可能なのか。

緩和方法の一つは聴覚情報の処理を整えること。
もう一つはここまでにいろいろあったメンタルとカラダのケア。
この二つが揃って聴覚過敏緩和のアプローチになると私は考えています。

読んで気になった方は、ご本人と一緒にでも、保護者の方だけでも、どうぞご相談にいらしてください。