聴覚過敏は、周囲の音がとても大きく聴こえたり、特定の音が苦しみを伴うような強さで聴こえたり、いつまたその音がするかという不安から気持ちが落ち着かない、そんな状態を言います。
子供だと教室に入れない子たちの中に相当数います。
大人だとパワハラ上司にぶつかってしまった時やコールセンターの仕事の方、またこの一年間のテレワークでヘッドホンを使いすぎた方にもちらほら見られるようです。

不思議なことですが、聴覚過敏は慢性疼痛と同じジャンルに入れられています。
常に痛い部分がある場合、そこに意識を集中してしまうとさらに痛みが大きく感じられてしまうことがおきます。聴覚過敏も、その音に意識を集中してしまうと余計にその音を聞き取る状態になり、その音がさらに大きく、または気になってしまう、という仕組みがあるのです。

そこでお医者さんは「気にしないで、うまく気持ちをそらしてください」と言うのですが、そもそも気になって仕方ない状態の人に向かって「気にしないで」とのアドバイスは無茶ですね。
もっと別な、脳と聴覚神経が忙しくなって気になる音に構っていられなくなるようなイベント、働きすぎた耳の休息、それから正しい聴き方の再学習が必要です。

トマティスのトレーニングは、普通のヘッドホンと骨導ヘッドホンの二つが一体型になっていて、このタイミングの調整で常に脳に対して「ヘッドホンから聴こえる音に飽きないように集中」するようにデザインされています。
それと同時に、聴覚過敏の方々の耳は「聴き取りの耳」の状態、聴きたくない音がまたするのではないかしらと耳をそばだててしまっている状態ですので、この状態を緩めるようにデザインされています。

それが普通の耳なんです。聴きたい音には耳をそばだててよく聴こえるように焦点を当て、どうでもいい音や聴きたくない音がする時には焦点を外して耳を休める、耳はそんな優れた機能を元々持っています。トマティスのトレーニングは、様々な理由でうまくいかなくなっている「正しい聴き方」の学習または再学習なのです。

聴覚過敏は耳のアンバランスな状態です。
そして多くの方がトレーニングを受けることで改善しています。100パーセント、とは言えませんが、私のセンターだと70から80パーセントの方には改善が見られます。

今お困りでしたら、どうぞご連絡ください。