聴覚過敏の子たちの聴覚を調べると、今まで解らなかったことも解って来ます。
今日はボリューム耐性について。

トマティスの聴覚チェックでは耳鼻科の検査と違って「耳の働かせ方の部分、聴く力」を調べているのですが、聴覚過敏の訴えを持って来る子たちは、ボリューム耐性が強い子と弱い子の二極化が激しいのかもしれないと感じています。

ボリューム耐性が弱い子たちは、今までのイメージ通りの聴覚過敏です。小さい物音が聴こえすぎる。室内全部の音を拾ってしまう。聴こえが不安や恐怖とつながる。聴こえるかもしれない、と思うだけで不安になったり怖くなったりする。本当にツラそうです。
こう言う子たちは過敏を下げ、恐怖と聴く事を認知行動療法的に切り離して行きます。

ところが。
聴覚過敏なのですがボリューム耐性が強い、つまり大きな物音でも動じない子たちもいるのです。最大ボリュームでもケロケロっとした顔で「まだ大丈夫」なんて言います。
大きな音は平気、でも音はウルサい。自分の声も大きい、でも音はウルサい。
外から見ると矛盾しています。本人の中でも矛盾していると思います。
これはこう書き換えると解りやすいかもしれませんね。
大きな音は平気、でも音は感情的にウルサい。自分の声も大きい、でも他の人の音はウルサい。
こう言う子たち、ウルサいから拒否、と言うシステムがうまく働いていないとも解釈できます。
なのでトレーニングは同じように過敏を下げ、不快感と聴く事を切り離し、快適ボリュームとは何か、周りの人に取っての快適ボリュームとは何かを学びながら探って行きます。

そもそもこのボリューム耐性に関しては6月にオーストラリアに研修に行き、そこで学んだことなので、まだ半年くらいしか私は調べていない訳ですが、味わい深い、と毎回聴覚チェックをするたびに思っています。

クリスマスですね。
世界中が一番優しい日々。
皆様にメリークリスマス。